からめる小指  ~愛し合う思い~
一通り食べ終え、片付けを済ませると

「クリスマスだけどね!」と

はぁちゃんが、待ってましたと話し始める。

樹とはぁちゃんが計画したらしく

千尋に確認をとったら………『先生に聞かないと』と答えたらしい。

別に、千尋が良いならなんでもオッケーなのに。

義理堅い千尋に笑いながら、樹達の計画を聞く。

「あのね、今回はディズニーランドなんてどう??」

夢の国と言われるテーマパークかぁ~。

大昔、大学の時に付き合っていた彼女と行ったことがある。

千尋を見ると

「楽しそうだけど………みんな将来が決まってのんびりしてるから………
行ってる人がいるかな?って…………心配なの。
ここまで内緒にして頑張ったのに………
ここでバレたら意味ないかな?って思うから。」

千尋もホントは、行きたいんだろう。

歯切れが悪いのがその証拠だ。

それでも、今まで頑張った分をムダにしたくない気持ちも分かる。

「だったら、ディズニーランドは卒業旅行にしない?
はぁちゃんだって、同じ楽しむなら
ビクビクしない方が良いでしょう?」

俺の答えに考える二人。

ディズニーランドだったら、キャラクターの飾りを付けたら

結構誤魔化せると思う。

それでも千尋が不安だと思うなら、無理して行かずに

安心して楽しめる時に連れていってあげたい。

「そうだねぇ~
卒業までもう少しだもん、我慢しようか?
その代わり、卒業したら絶対四人で行こうね!」

はぁちゃんの心も決まり

はぁちゃんを連れて行きたかっただけの樹には、異議なんて無くて

アッサリ卒業旅行で決まった。

「私のせいで………ごめんね。」と謝る千尋だけど……

俺に言わせると、樹が気を配れよ!って思う。

相変わらずはぁちゃんに甘い樹だ。
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