桜の舞い散る頃
マンションに戻り、ドキドキしながら鍵を開けた。自宅以外の部屋の鍵なんて、開けたことないしぃ。ガチャっとドアを開けリビングに入る。
「ただいま戻りました。室長、冷蔵庫をお借りします。」
そのまま、キッチンへ向かい、買って来た食材を冷蔵庫に片付ける。冷蔵庫が大き過ぎる!なのに何で飲み物、しかもアルコールしか入ってないの~?
リビングに戻り、着替えた室長に声を掛ける。
「室長、熱は計って下さいましたか。」
「うん、38.1℃。」
ソファーにもたれ、ちょっと辛そうに答える。
うわっ!結構高い。まだ上がるかも知れない。
「室長、ベッドに入って下さい。私は頭を冷やす枕を準備しますから。」
彼を支えて立ち上がり、寝室へと向かう。
「ドア閉めますね。」
私は、洗面所に行き、棚からタオルを1枚借りて、キッチンに戻り、冷凍庫から冷却剤を出し、タオルで包んで寝室に向かった。
コンコンコン、ドアを軽く叩く。
「室長、入っても大丈夫ですか。」
「ああ、どうぞ。」
「‥‥‥失礼しまーす。」
寝室に入ると、広っ!ベッドに入る室長のそばに、枕を抱えて近づく。ってベッド、デカっ!
「室長、枕を替えて下さい。それから、替えのシーツとパジャマの場所を教えて下さい。」
「ん、ありがとう。シーツ類は洗面所の隣の部屋にあるから、適当に使ってくれて構わない。」
「ありがとうございます。」
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