桜の舞い散る頃
沙耶は、立花に体温計を渡した。立花も素直に受け取り、近くにあるソファーに座り、体温計を脇の下に挟む。
ピピ ピピ 電子音が鳴り立花は体温計を取り出した。
「室長、どうですか」
「ン～、37.1℃」
はぁ～。良かった。疲れからくる発熱だったのかな。下がりが早くて良かった。
「室長、シャワーを浴びて、さっぱりして来て下さい。」
「ああ、そうさせてもらうよ。だいぶ汗をかいたからな。」
立花は着替えを持ち、バスルームに向かった。温め直したお粥を、ダイニングテーブルに置き、お茶碗とレンゲ、昨日の夜に作っておいた、胡瓜とキャベツの浅漬けを並べる。
寝室へ向かい、ベッドのシーツを剥がし、タオルケットとまとめて床に置いて、替えのシーツを敷く。寄せておいた枕を戻し、タオルケットを掛ける。
寝室から洗濯する為に持ち出して、ドアを閉めリビングに戻った所で、シャワーを終えた立花が戻って来た。
「室長、お腹空きませんか？お粥を作ったので、もし食べられるようでしたら、お腹に入れて下さい。それから、洗濯機をお借りします。」
「ああ、ありがとう。昨夜から何も食べてなかったから、流石に空腹だよ。ちょっと待ってて。」
立花は寝室へ行き、クローゼットを開ける。中からTシャツとハーフパンツを持って来る。
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