短編集 【善人のフリした悪人】
「なんで俺の負けなんですか!?
俺は言ってない!!」
意味の分からなさにちょっと怒り気味で天地さんを問いただす。
『・・・・・・・・・・。』
「・・・・・・?」
天地さんが再び真顔になると、
俺の顔を指さしてきた。
「・・・な、なんすか?」
『今、“なんで”って言ったね?』
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・あ・・・・ああああ!!
・・!?・・・・・・・!?(ToT)
思わず・・自分の口を両手で覆う。
『三島君・・。残念ながら第2ゲームも私の勝ちだ・・・。』
「・・・・・初めから・・こうするつもりだったんですか・・?」
『最初の質問に特に意味は無い。
唐突に“負け”を突きつけて、
“なんで”って聞いてくるか堪えられるか。
このゲームはそれが全てだよ。』
「・・・・・くぅ~・・・・。」
天地さんの迫真の演技にも騙されてしまった・・・。
これで0勝2敗・・。
第3ゲームを残して負け越しが決まってしまった。