短編集 【善人のフリした悪人】
第2章 運命の子
第2章 運命の子
鬼の被害の爪痕残るとある村に、
お爺さんとお婆さんが住んでいました。
ある日、お爺さんは山へ芝刈りに、
お婆さんは川へ洗濯へ向かいました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、
川上のほうから“どんぶらこ どんぶらこ”と大きな物が流れてきました。
「はて・・?あれは・・なんだろう?」
お婆さんは興味本位でその物体を持ち上げました。
「ピンク色をしたお尻に似た形の・・食べ物?」
直感的に果物だと悟ったお婆さんは、
今日の夕飯へとその物を持って帰ることにしました。