短編集 【善人のフリした悪人】


「・・・・・・・・。」


桃太郎は腰に付けていたきび団子を1つ、犬の足下に落としました。


「分かった・・。

このきび団子と引き替えに・・お前の命は私が預かる。

共に行こうぞ、鬼ヶ島へ。」


うむと頷いた犬はきび団子を口の中に入れると、

森の中から顔を出していた動物たちを見渡しました。


「・・・必ず戻る・・。」

仲間達に別れを告げた犬、

そして桃太郎は再び森の中を歩き出しました。










< 24 / 130 >

この作品をシェア

pagetop