短編集 【善人のフリした悪人】
“褒美”
誰が発したかこの言葉を聞き、一斉に鬼達が地面に転がっていた石を空に投げました。
世にも珍しい1羽の鳥を目がけて無数の石が飛んでいきます。
「・・・・・お!当たったか!?
当たった当たった!!」
青鬼が石を投げた直後、
美しい羽を広げて飛んでいた鳥が、
鬼ヶ島の北側・・・
・・人間が住む村とは反対の方角へ向かって急降下していきました。
「捕まえるぞー!!」
「「「「「「おぉぉぉお!!!」」」」」」
我先にと、一斉に鬼達が落ちていく鳥の方へと走り始めました。