短編集 【善人のフリした悪人】
「・・・お待ち下さい桃太郎様。
まだ・・島の外れにポツリと家がありました。」
残党がいないか空を飛び上がり、島中を見渡していた雉が桃太郎の目前に降りてきました。
「・・・そうか・・・まだ残っていたか。
行くぞ。」
「桃太郎。少し休んでからの方がよいのではないか?」
立ち上がった桃太郎を犬が心配そうに見つめますが、
大丈夫と一言発して、雉が見つけた家へと向かいました。
「猿君。どうやら君のお目当ての桃の木もそこにあるようです。」
「わぁお!それは急ぎましょうっす!」
猿と雉も、桃太郎の後ろについていきます。