想うほどに苦しくて...
第1章
新たなはじまり
私、桜 美羽は生まれつき心臓病を患っている。
中学校はほとんど欠席。体の弱い私には登校すら厳しかった。
でも、中学卒業を間近に私の心臓は日に日に驚く程の回復力を見せた。そして今、憧れていた高校生活へと1歩を踏み出そうとしている。
正直「友達ができるかなぁ」とか、「途中で発作が起きてしまったらどうしよう」とか、不安はある。
私の心臓は治った訳では無い。あくまで回復しただけで、いつ発作が起こるかもわからない状態。浮かれている時期が1番危ないと医者は言っているけど、正直私にはそんな気に止まるようなことではなかった。
とにかく遊んではしゃぎたい。
そんなことを考えてたら入学式はとっくに終わっていた。
、私は1年2組。緊張しながらもわくわくとした重いような軽いような足取りでクラスへと向かった。
教室のドアが閉まっていても、クラスの中から笑い声や沢山の会話が飛び交っているのは直ぐにわかった。
賑やかなクラスだなぁ。
私も打ち解けるかな?大丈夫、だよね?
心配しながらも右手でドアに触れていたら、後ろから視線を感じた。
「おい、邪魔だ早く行け」
な!なにさ!言われなくてもわかってるし!べーだ!
「す、すみません、」
頭にしていることは口に出しちゃいけないと本能が指摘し、素直に謝った。そしてドアを開けた。
席はどこだろう。。ここでいっか!
「おい、そこ俺の席。勝手にすわんな。」
また君ですか!すみませんね!
「ごめんなさい、気をつけます。」
渋々謝ったのが表に出たのか不快そうな顔でじっと瞳を見つめてきた。
な、なに?なんなの?
「お前、どっかであったことないか?」
え?そんなはずない。だって知らないもんこんな顔の人。
てかなんなのお前って!名前ちゃんとあるし!
「お前じゃないです。桜 美羽です。気のせいじゃないですか?私あなたみたいな怖い人、知りません。」
「そうか。ならいい。」
ならいいって何がいいのさ!まぁいいけどさ!?もうなんで初日から…
そう思いながら自分の席へと座った。
帰りのホームルー厶が終わり、鞄に教材を詰め込む。
最悪…明日体育あるじゃん…。
心臓病のことは先生にも言っていないし、クラスメイトの人ももちろん知らない。だから体育を休むとズル休みって思われちゃう。まぁ、そんなに深く考えなくてもいっか。
「ただいま〜」
ダッダッダッダッー
「美羽〜!!大丈夫だった!?なんもなかった!?あっおかえり!!」
あ、あはは…まぁ、そうなるよね。
「お母さんただいま。大丈夫だよ?そんな心配しなくても。何かあったらちゃんと言うから、ね?」
「んもぉ、美羽ったら、心配する身にもなってよね!」
「はいはい。」
軽く流した私だけど、お母さんは私のいない所で涙を流しているのを知ってる。私の前で、明るく振舞ってるだけ。
1度隣の病室の男の子と病院を抜け出したことがあった。
ダメだってわかっていながらも走って、発作を起こしてしまった。
その時はなんとか一命を取りとめたけど、あとすこし遅かったら命の保証はなかったと言われた。
私は初めてお母さんに怒られた。お母さんは怒っているはずなのに、何故か涙を流していた。私のせいでお母さんが苦しい思いをしてしまう。私が大人しくしていれば、お母さんはこんな思いをしなくても良かったのかもしれない。
その時のお母さんの顔は今でも鮮明に覚えている。
中学校はほとんど欠席。体の弱い私には登校すら厳しかった。
でも、中学卒業を間近に私の心臓は日に日に驚く程の回復力を見せた。そして今、憧れていた高校生活へと1歩を踏み出そうとしている。
正直「友達ができるかなぁ」とか、「途中で発作が起きてしまったらどうしよう」とか、不安はある。
私の心臓は治った訳では無い。あくまで回復しただけで、いつ発作が起こるかもわからない状態。浮かれている時期が1番危ないと医者は言っているけど、正直私にはそんな気に止まるようなことではなかった。
とにかく遊んではしゃぎたい。
そんなことを考えてたら入学式はとっくに終わっていた。
、私は1年2組。緊張しながらもわくわくとした重いような軽いような足取りでクラスへと向かった。
教室のドアが閉まっていても、クラスの中から笑い声や沢山の会話が飛び交っているのは直ぐにわかった。
賑やかなクラスだなぁ。
私も打ち解けるかな?大丈夫、だよね?
心配しながらも右手でドアに触れていたら、後ろから視線を感じた。
「おい、邪魔だ早く行け」
な!なにさ!言われなくてもわかってるし!べーだ!
「す、すみません、」
頭にしていることは口に出しちゃいけないと本能が指摘し、素直に謝った。そしてドアを開けた。
席はどこだろう。。ここでいっか!
「おい、そこ俺の席。勝手にすわんな。」
また君ですか!すみませんね!
「ごめんなさい、気をつけます。」
渋々謝ったのが表に出たのか不快そうな顔でじっと瞳を見つめてきた。
な、なに?なんなの?
「お前、どっかであったことないか?」
え?そんなはずない。だって知らないもんこんな顔の人。
てかなんなのお前って!名前ちゃんとあるし!
「お前じゃないです。桜 美羽です。気のせいじゃないですか?私あなたみたいな怖い人、知りません。」
「そうか。ならいい。」
ならいいって何がいいのさ!まぁいいけどさ!?もうなんで初日から…
そう思いながら自分の席へと座った。
帰りのホームルー厶が終わり、鞄に教材を詰め込む。
最悪…明日体育あるじゃん…。
心臓病のことは先生にも言っていないし、クラスメイトの人ももちろん知らない。だから体育を休むとズル休みって思われちゃう。まぁ、そんなに深く考えなくてもいっか。
「ただいま〜」
ダッダッダッダッー
「美羽〜!!大丈夫だった!?なんもなかった!?あっおかえり!!」
あ、あはは…まぁ、そうなるよね。
「お母さんただいま。大丈夫だよ?そんな心配しなくても。何かあったらちゃんと言うから、ね?」
「んもぉ、美羽ったら、心配する身にもなってよね!」
「はいはい。」
軽く流した私だけど、お母さんは私のいない所で涙を流しているのを知ってる。私の前で、明るく振舞ってるだけ。
1度隣の病室の男の子と病院を抜け出したことがあった。
ダメだってわかっていながらも走って、発作を起こしてしまった。
その時はなんとか一命を取りとめたけど、あとすこし遅かったら命の保証はなかったと言われた。
私は初めてお母さんに怒られた。お母さんは怒っているはずなのに、何故か涙を流していた。私のせいでお母さんが苦しい思いをしてしまう。私が大人しくしていれば、お母さんはこんな思いをしなくても良かったのかもしれない。
その時のお母さんの顔は今でも鮮明に覚えている。