キスからはじまる
キス11
年末年始はおばあちゃんちでいとこたちと楽しく過ごした。
年が開けて一週間が経ち、あっという間に冬休みが終わった。
そして、新学期がはじまった。
「胡春、おはよ」
「メグちゃん、おはよっ」
メグちゃんと今年初のあいさつを交わす。
今年もメグちゃんとたくさん思い出作りたいな。
「よし、全員そろってるな。みんな、明けましておめでとう。冬休みは存分に楽しんだか?」
朝のホームルーム。先生が話始める。このクラスも、残り2ヶ月半だ。
2ヶ月半…長いなあ。はやく、2年生になりたい。そうしたら、世良くんのことを見ずに済むのに…。
冬休みのあいだ、世良くんのことは考えないようにつとめた。
だけど、今日の朝登校してくる世良くんを目にして、わたしの心臓は音をたててしまった。
やっかいなわたしの心臓。
もうドキドキする必要なんてないのに。どうしていうことを聞いてくれないのか。
あのクリスマスの夜、彼への気持ちには、サヨナラしたはずなのに──。