キスからはじまる


「メグちゃんは数学何点だった?」


お昼休み。


わたしはお母さんが作ってくれたお弁当を広げながら、

メグちゃんこと吉田恵(よしだめぐみ)に質問した。


わたしより点数いいことは知ってるから、聞いても問題ないのだ。


「84だったよ」


お箸ケースをパカッと開けるとともに教えてくれたメグちゃん。


「すごーいっ!」


わたしと20点もちがう…!!


メグちゃんは入学して一番はじめにできたお友達。


165センチの身長で、焦げ茶色のロングヘアーをいつもポニーテールにしている。


頭がよくて、さっぱりとした性格で、一緒にいて落ち着くんだ。


「すごくないよ、ケアレスミスあったし」


84ですごくなかったら、わたしどうなっちゃうんだ…!!


急に自分の点数が恥ずかしくなってきた。


「偶然見えたんだけど…」


メグちゃんは声をひそめて。


「世良は満点とってた」


わたしは声が出ず、目を真ん丸にさせた。


「ま、満点って、100点ってことだよね…!?」


やっと口が開いた思ったら、出てきたのはそんな当たり前のことで。


「すごいよね、先生さ、満点はとらせないようにテスト作ってるらしいのに」


「世良くん、さすがだね…!!」


わたしは箸にもった卵焼きを放置のまま、関心してしまった。

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