キスからはじまる


「松木くん?最近って…特にないよ?」


松木くんとは、同じクラスの男子で、9月の体育祭で同じ装飾係になったのがきっかけで仲良くなったのだ。


優しくて、穏やかな性格をしている。笑った顔が犬みたいで、癒し系ってかんじかな。


実は、体育祭のあと“好き”“付き合って”と告白された。


だけどわたしは友達としてしか見れなかったため、お断りしてしまった。


それから少し気まずくなると思われたけど、松木くんは普段通り接してくれて今でも仲のいい友達だ。


「たまにメールしてるって言ってたよね、今もしてるの?」


「うん、たまにね。でも、ほんとにメールだけだよ。松木くんはきっともうわたしのこと好きな気持ちなくなったんだよ」


「ええ、そうかなあ?まだ諦めてないかもよ?」


「そんなの言われたら、意識しちゃうよ」


「ああ、そうだね。胡春は鈍感なままでいないとね」


そんなことを言われ、苦笑してしまった。

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