キスからはじまる
9時に家に着くことにしよう。
それまでなにしようかな。
てきとうに道を歩く。
もう少し歩いたところにショッピングセンターがあるから、そこで洋服を見ようと考えた。
冬物の新しいコートがほしいんだよね。
ショッピングセンターに到着し、お気に入りのブランドのお店に入った。
冬物のコートがズラリと並んでいる。
あ、これ可愛い!あ、これも…!
今日買うわけではないのに、優柔不断なわたしは何着ものコートに目移りしてしまった。
最終的に一番気に入ったのは、水色のPコート。
今度買いにこよっと!!
そう考えてその店を後にした。
昼間のパスタがかなり大盛だったからか、あまりお腹はすいていない。フラペチーノも飲んだしね。
映画もすごくおもしろかったな~!次はなにを観ようかな。
いくつかの予告を思い出す。
映画を観ることは好きだから、想像するだけで楽しくなっちゃうよ。
今日見た映画は、原作本がある。だけど、正直本を読むのはあまり得意ではない。
だから、世良くんはすごいと思う。
さまざまなお店の前を歩きながら、自然と世良くんのことが頭に浮かんだ。だって、本イコール世良くんだと思うから。
毎日読書をしている世良くん。それだけで絵になってるんだよね。そうだ、わたしは、気取っていないところだけじゃなくて、本を読んでいる姿も素敵だなって前々から思っていた。
…少なからず世良くんに対していい印象を持っていたから、キスされても、嫌じゃなかったのかも。
ふとそう考えた。
気づけばわたしの足は1階にある本屋にたどり着いていた。
せっかくだし、今日の映画の原作本を探してみよう。
そう思って中へと足を踏み入れた。