キスからはじまる
「ダイくんの誕生日もうすぐなんだぁ」
ダイくんとは、メグちゃんの彼氏。
中3のときから付き合っていて、今月で10ヶ月っていってたっけな。
ダイくんはここから電車で30分の男子校に通っていて、部活が忙しいからなかなか会えないんだとか。
だけど、わたしはラブラブなこと、知ってる。
メグちゃんはあまり好き好き~!!てかんじを出さないけど、見ていたらわかる。
ダイくんの話をするときのメグちゃん、すっごく幸せそうだもん。
「プレゼント、候補はあるの?」
「この前手袋片方落としたとか言ってたから、手袋にするか、前会ったときスニーカーすごいくたびれてたから、スニーカーにするか…」
ほらね。“好き”があふれてなかったら、こんな幸せな悩み、あるわけないよね。
「このあと手袋とスニーカー、街に見に行く?」
わたしがそう提案すると、
「いいの?行きたい!」
と嬉しそうにするメグちゃん。
可愛いなあ。
ダイくん、ほんと見る目あるよっ!!