生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。


――流れ星を見たら、願いが叶うという。

そんなことを信じてたのは、何年前までだったか。

――俺は希望も絵空事も、あるいは、幻想も嫌いだ。生きていれば大抵のことはできるだとか、そういう人間が作りだした馬鹿みたいな想いが。


――嫌いだった。少なくとも、お前ら五人に出会うまでは。でも、空我達に出会って、旅行をして、何より空我が親に殺されかけたことを知って、俺はそんな絵空事や希望に、縋りたいと思ってしまった。

‘‘――空我が、出来損ないの俺の何十倍も幸せになれますように。”



昨日、俺は生まれて初めて、そう空我に向けた希望を、神に祈った。今でも、その祈りは胸の内にある。星のモチーフが現すのは、希望。この星空の背景に、俺は、空我が希望を忘れないようにって願いを込める。


――たとえ俺が死んでも、空我が笑っていられますようにと。

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