生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
しゃがみこんだまま、俺はバックから水の入ったペットボトルと、薬のポーチを取り出した。
ペットボトルのキャップを開けて、薬を口の中に入れた。薬と一緒に、水をゴクゴクとを飲み込んでから、俺はペットボトルのキャップを閉めて、ドアにもたれかかった。
「……うっ、痛……っ」
コンコン。
「奈々絵ー」「奈々絵ー、開けろ」
ドア越しに空我と潤の声を聞いた俺は、壁に触れて、どうにか立ち上がった。
レバーを回して水を流すと、俺はゆっくりと後ろに振り向いて、ドアを開けた。
「奈々絵、大丈夫か?」
心配そうに、空我は声をかけてきた。
「はぁっ……ああ、どうせすぐ治る。お前ら、なんでここに?平気だっつったじゃん……」
「恵美がすっげー心配してて、様子見て来いって。……それに、本当は全然平気じゃないことなんて、見ればわかるし」
そう言って俺を見て、潤は困ったように笑った。
そうだよな……。
あんな投げやりに言ったら、調子が悪いのなんてバレバレだ。