生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
「ま、体調悪くなったって、どんな形であれすぐ言ってくれたのは、すげーありがたいけどな?」
そう言って、空我は可笑しそうに口元を綻ばせた。
「……あっそ。うっ!……うぅ……」
雑にそう返すと、すぐにまた胸痛が押し寄せた。
体を焼かれてるかのような、酷い胸の痛み。
痛くて重くて、不快感が押し寄せた。
「……はあっ、はぁっ……」
息切れがして、呼吸困難になりそうな錯覚に陥いった。
――本当に、俺の体は使い物にならない。
「……はぁー。ほら、帰るぞ」
ペットボトルのキャップを開けると、中に入っていた残りの水を使って、俺はもう一つ薬を飲んだ。それを見てから、潤はわざとらしくため息を吐いて、俺の肩に腕をかけた。
「まっ、待って」
俺は慌ててペットボトルのキャップと薬のポーチのチャックを閉めて、それらを雑にバックに突っ込んだ。
俺の手からバックを奪うと、空我も同じように、もう片方の肩に腕を掛けてきた。
「……なっ、なんで空我まで」
「……だってお前、病人じゃん。……体弱いくせに、人のこと心配しすぎなんだよ」
唇を尖らせて、いじけたように空我は言った。
「なぁ?潤?」
「クククッ、ああ、そうだな」
空我に確認されると、潤は大層可笑しそうに笑いながら、優しく頷いた。