生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
「……でも、少しでも迷いがあるなら、すぐにやめろ。……でないと、後悔するぞ」
俺からのお礼を聞いた後、忠告をするように、美弥香は言った。
後悔なら腐るほどした。……でも、今更、後戻りなんてできない。
「……ああ、分かってるよ。おやすみ、美弥香」
「……ああ、おやすみ、奈々絵」
今日の報告の終わりを告げる挨拶を交わして、俺は通話を切った。
痛みを訴える胸を抑えて、俺は窓から見える、空我と同じ髪色をした空を見上げた。
「――奈ー々絵!!」
ふと、頭に、元気よく俺を呼んだ空我の顔がよぎった。……この顔が見れなくなるのは、俺だけでいい。
……大丈夫だよ、美弥香。
今すぐじゃないけど、きっともうすぐやめるから。
……だって、この旅行が終わったら、俺はあいつらと縁を切るつもりなんだから。