生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
「ふーん?……ならいいけどさ、お前は俺を救うって言ってくれたんだ。俺はそれに感謝してるし、お前に恩返ししたいと思ってんだからな?何かあったら頼れよ?」
後ろ手で腕を組んで、空我は不満げにそう言った。
「……」
恩返しされるほどの時間なんて、残されてないのに。
「……お前の生きる意味、早く見つかるといいよな。見つけられるように、やれるだけのことはするから。
……それに関係ないことでも、好きに頼れよ?」
口元を綻ばせて、空我は得意そうにそう言った。
「……はぁ。自分の生きる意味も見つけられてない奴を頼ったって、しょうがないだろ。
それに、頼るは頼るでも、お互いに頼りにして、一緒に生きる意味を探すんだろう?」
ため息を吐いて、呆れたように俺は言った。
――本当に、俺は馬鹿だ。
頼れと言われたことが、旅行の前々日と同じように、再び手を差し伸べられたことが、今にも泣き出しそうなくらい嬉しいなんて。
頼れないって分かっているのに、こんなにも嬉しいなんて。