生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
15本 じゃあな、俺の天使。
泣き止んだ俺は、帰り支度をしようと思い、ベッドから降りた。
早くここからいなくならないと、恵美達に会うことになりかねない。最悪でも、明日の始発の電車で行かないと。
「……っ!? なんで……っ」
病室の隅にあったクローゼットを開けると、そこには、見覚えのあるマークの書かれた、紙袋が置かれていた。それは、今日花見をした後に行ったブランドのマークだった。
紙袋の中から服を取り出すと、出てきたのはやっぱり、グレーのロングカーディガンに、冬ニット。それに、膝が破けた黒のダメージジーンズだった。
服を全部取り出すと、紙袋の中には、メッセージカードがあった。
“早く良くしてよね!言われなくたって置いてかないから!!恵美”
“早く良くなってね。良くなったらまた花見しようね。純恋”
“奈々絵、無理すんなよ。潤”
“何が置いてくなだよ!発作なんてさっさと治せよな!お前がいないとつまんないんだよ、バーカ!!空我”
バカ空我……。
俺がいなくなったって、どうせ、すぐに元気になるくせに。
いつもそうだ。お前らは勝手に俺の心を掴んで、離さない。
もう、全て手遅れになってしまったというのに。
大好きだったよ、恵美、空我。
潤、純恋、……恵美と空我を頼むよ。
多分もう二度と会うことはないだろうけど、どこかで見守ってるから……。