生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。


「……なんで俺が美弥香に会ってないと思った?」

「……アビラン先生に、奈々絵の面会に来た人を聞いてみたの。

そしたら、今日だけでも私以外誰もいなかったから、美弥香に会ってないんだろうなって。だって美弥香、奈々絵のこと大好きだもん。そんな美弥香が私より来るのが遅いなんて、絶対におかしいよ」


「ハッ……なんだそれ。めちゃくちゃだな」


吐き捨てるようにそう言って、俺は笑った。


「……美弥香とはもう絶縁した。喧嘩して会ってないんだよ。それだけだ」

「なんで?なんで喧嘩したの?」

首をかしげて、恵美は不思議そうに言葉を紡いだ。

「……っ、もう他人のあんたに、それが関係あるのかっ!?」

肩にあった恵美の腕をどけると、俺は彼女の胸グラを掴んで、叫ぶように言った。

「――別れろよ、今すぐに」

そして、トドメを刺すかのように、そう言葉を紡いだ。


――頼む。


頼むからもうこれ以上、俺の不安を煽らないでくれ……っ。

死ぬのが怖いって想いを、生きたいって想いを、掻き立てないでくれ……っ。

俺は唇を噛んで、泣きそうなのを必死でこらえた。


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