生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
19本 いつまでも待ってるよ。空から君に愛を贈って、何年だって。
屋上のドアを開けると、そこでは、空我が飛び降り防止の柵に腕をかけて、頬杖をついていた。
「……空我」
「……奈々絵」
俺と同じように病衣を着た空我の首筋からは、赤紫色の痣と、ハサミかカッターで切りつけられたような切り傷が見えた。
「――昔、母親にやられた」
俺は空我のたそがれたようなその姿を見て、出会って間もない頃の空我の姿を思い出した。
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「……おいっ、しっかりしろ!!」
気を失いそうになる直前、誰かの声が聞こえた。
「……うっ」
灰色の道路は俺の血で真っ赤に濡れていて、視界は何処も彼処も真っ黒に染まっていた。
……それでも、声が聞こえたその瞬間だけ、一筋の光が見えた。
空よりも青い一筋の光。それはまるで神様のように、あるいは天使の導きのように、この世の何よりも美しい鮮やかさを放っていた。