生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
20本たとえお前らが、俺がいないと笑えないと言ったとしても。
【空我side】
奈々絵がいなくなってから、1週間が経った。
俺は奈々絵の葬式以来、親元を離れて一人暮らしをしている潤の家に居候していた。
何もやりたいことがなくて、母親への恐怖心も未だに消えないから、俺は家に帰らないで、学校にも通わない日々を過ごしていた。
ただ毎日親友の潤が学校に登校するのを見送って、帰ってきたら2人で当たり障りない話をして、ご飯を食べて風呂に入って、一緒に寝る。
そんな自宅警備員とか、引きこもりに近いような生活をしていた。
他人に迷惑をかけるなとか、そういうの全部どうでもよかった。
……誰か、俺を殺して。
置いていくなよ、奈々絵……っ。
何も感じない。焦燥も、不安も、何もかも。まるで氷のように心が凍てついて、何も手につかない。
ただただすべてがどうでもよくて、どんなに叫んでも、何も満たされやしない。
この気持ちをなんというのか、俺は知らない。
虚無感なんて在り来りなものじゃない。
ただ言葉に表せないほどの絶望を感じて、窓から気絶した人を見ても、何も感じることすらできなくて。
生きた心地がしない。
生きてる意味が分からない。