生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
3月27日。
旅行先に向かっている時、空我が泣いていた。俺はそれが、かなり気がかりだった。
姉が死んで以来、生まれて初めて海に行って、五人でバーベキューをした。バーベキューの途中、空我が泣いていたのが、虐待のせいだと分かった。空我が虐待のことなんか忘れるくらい、旅行を楽しいものにしたいと思った。
楽しければ楽しくなるほど、生きた意味が見つかる気がしたから。その後は、バーベキューを五人で声がかれそうになるまで笑って、思いっきり楽しんだ。
バーベキューが終わった後、四人は花火をしていた。俺はそれを、別荘から遠目に眺めていた。あそこに加わってみたかったな……。