生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
その日の夜、体調を崩した俺のために、恵美は卵粥を作ってくれた。一口食べると、口の中にふわっと、卵の柔らかい風味と香りが一気に広がった。食欲のない体に鞭打って、せっかく恵美が作ってくれたんだと思って、俺はどうにか粥を食べた。食べている途中、恵美は、空我達が海にいると教えてくれた。
それを知った俺は、急いで粥を食べて、恵美に体を支えてもらいながら、海の見えるベランダに行った。
恵美が言った通り、空我は海で元気よく遊んでいた。
俺はそれだけで生きててよかったなって、空我が笑ってるのが見れて本当によかったと思って、涙を流してしまった。