生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
「……っ、好きだ」
ちょっとした出来心で、包装紙にそう書き殴った。
大好きだって、そばにいたいって、死にたくないって。
頭に浮かんでくることを全部、必死で書き殴った。
嫌だ……っ。
怖いよ。嫌だよ姉ちゃん……死にたくないよっ。
恵美のそばにいたいよ。いさせてよ……っ。
「……うぁっ、ああああっ!!!」
いつもいつも、何もしてなくても押し寄せる体の苦痛よりも、心の痛みの方がよっぽど大きくて、俺はまた悲鳴をあげた。
――もっとそばにいたい。
「……うっ、うぅ……!」
そんな言葉が思い浮かんでからすぐに、絶え間ない激痛は、無理矢理俺の意識をかりとろうとした。
「奈々絵っ!!」
意識が消える直前、爽月さんの声が聞こえた気がしたけれど、俺はそれを確かめる間もなく、気を失った。