生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
2本 あいつらとなら、必ず見つかる気がするから。


「……」

病院の出入口の前に立っていた俺は、頭上に広がった空を見上げて、物思いに沈んでいた。


――今日、俺は期間限定の自由を掴みに、担当医に遠出の許可を取りに行く。

――生きる意味を知るために。

――そして、自分が生きてていいのかどうかを知るために。


病院という肩書きを背負った牢獄から抜け出して、俺はついに、待ち焦がれていた本当の自由を手にするんだ。――たとえそれが、永遠の何千倍も短い刻であろうとも。


「なーなえ、どうかしたの?」


恵美は隣にいた俺の顔を覗き込んで、不思議そうに首を傾げた。


「……いや、何でもない」
そう言って、俺は困ったように笑った。


それから数分もしないうちに、空我達三人が、病院の出入り口前に現れた。

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