生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
俺達四人も、すぐにその後ろに続いた。
二階に着くと、俺達は男女に分かれて、各自の部屋に向かった。
俺達三人の部屋は、二階の手前にある部屋だった。恵美と純恋の部屋は、その奥にあった。
長時間歩いて奈々絵の身体に障るといけないから、
俺達の部屋の方が手前で良かったかもしれない。
「……開けるぞ」
そう言うと、奈々絵はポケットからカードキーを取り出して、それを扉に通した。
扉を開けた先には、あたかも寝室のように三つのシングルベッドが横並びに置かれていた。
「……いや、三人用じゃん」
俺は口をあんぐりと開け、そうこぼした。
「……ああ。ベットが二つって、嘘だからな」
「嘘っ、マジでッ!?」
「マジっ!?」
俺と潤は、口々に大声を上げた。
「……ああ、そうだよ」
俺達の大声を聞いて顔をしかめながらも、奈々絵は淡々とそう言った。
恵美、嘘ついたな。
「……くっそ、恵美の奴、からかいやがったな」
「……そんな怒るなよ。恵美、お前を元気にしようとして、こんなことしたんだろうからな」
苦虫を噛み潰したような顔を俺がすると、奈々絵はそう言って、困ったように笑った。