生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
4本 五人で、一緒に見つけたかった。

【奈々絵side】


――空我が元気になればいいと、俺は思っていた。
今朝、空我は泣いていた。恵美はそれに気づいて、部屋割りの時に“空我に嘘ついたから、後はよろしくね”と、俺に耳打ちしてきた。

そこで、俺は恵美の嘘が発覚すると、空我に元気がないだろと声をかけた。でも、空我はそこでも、車に乗ってた時と同じように見栄を貼った。――空我の本音を聞けるのは、いつになるんだろう。


ドアを開けっぱなしにしていたら、恵美と純恋が早足で部屋の中に入ってきた。

「……奈々絵ー、お昼からみんなでバーベキューでもしない? あたしと純恋で買い物行ってくるから、三人で、グリルとか準備しててよ」

開きっぱなしだった窓を通ってベランダに入って来ると、背後から俺を抱きしめて、恵美は楽しそうに笑った。俺達四人の後ろで、純恋は穏やかに微笑んでいた。


「バーベキュー?いいなそれ!!楽しみだ!」


空元気みたいに大きな声でそう言って、空我は嬉しそうに笑った。

――やっぱり笑顔がぎこちない。いつも通り振舞ってるつもりなんだろうけど、あの笑顔はいつもより表情が固くて、不自然だ。

「でしょー?奈々絵も潤もいいよね?」

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