生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
「花火あんじゃん!!」
紙皿を取りに押入れにもう一度3人で戻ってくると、すぐに、空我はそう言って、わざとらしくはしゃいだ。
線香花火などの手持ち花火が袋詰めされた夏によく売っているような花火セットが、押入れの奥には置かれていた。
空我はそれを取り出すと、ふにゃっと、嬉しそうに笑った。
しかし、すぐにまたどこか思いつめたような寂しい顔をした。
――頼って欲しい。
心の底からそう思った。
一昨日も昨日も泣いてた奴なんて、これっぽっちも頼りがいがないのかもしれない。
それでも、本気で頼ってほしいと思った。
――だって、親友だろう?
そのハズだろ……。
「バーベキューの後、花火やるか?」
あたかも空我を励ますかのように、目の前にいるそいつの肩を雑に叩いて、俺は笑った。
「……うん!」
空我は俺と目が合うと、そう頷いて、ほんの少しだけ嬉しそうに笑った。