生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
「――奈々絵つまんなくないのか?」
野菜や肉の置かれた皿を持って俺の方に近づくと、空我はそう声をかけてきた。熱のない、いかにも楽しくなさそうな声だった。そんな声を聞いていたら、俺はいつまでも弱音を吐かない空我にとうとう頭が来て、空我を頭ごなしに睨みつけた。
「――つまんないのは、お前だろ」
俺にそう言われると、空我は驚いたように目を丸くした。
「……そんなことない」
しかし、すぐに空我は首を振った。
「そんなことないわけないだろ!!お前今朝泣いてただろ!……それなのになんでっ、元気なフリなんてするんだよ……っ!」
両手で空我の肩を揺らして、俺は必死にそう言った。悲しくて泣きそうで、それは殆ど叫びに近い声だった。皿の中身が、ボトボトと砂浜に落ちた。そんなことにも構わず、俺は空我を泣きそうな顔で見つめていた。
潤達は、俺達を無言で悲しそうに見つめていた。
――つまんないのは、どっちだよ。
さっき、生きる意味を見つけようと潤に言われて、空我は声は小さかったが、きちんと頷いていた。
それなのに、空我は全然元気にならない。