生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
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――プルルル!
まるでうさぎが跳ねたかのように軽やかな携帯の着信音を聞いて、あたしは目を覚ました。
「んー?」
まだ意識が判然としない中で、あたしは枕元にあったスマホを取って、通話に応じた。
「……あ、恵美?起きてる?」
すぐに大好きな彼の声が聞こえてきて、あたしの眠気は、一気に吹き飛んだ。
「うん、起きてるよー!おっはよう奈々絵!!」
「……朝からテンション高いな。……おはよ」
あたしが元気よく声を上げると、彼はほんの少しだけ憂鬱そうに、小さな声で返してきた。
でも、彼が朝が弱くて憂鬱そうにしているのはいつもの事だから、あたしはそれを気にしない。
「恵美、いつ来れそう? さっき会計終わって、今図書室の前にいるんだけど」
「図書室? わかった! すぐ行くね!!!」
「フッ。ああ、待ってるよ!!」
小さく笑ってから、彼は頷いた。