生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
「美弥香、俺……っ」
悲しくて、辛かった。――何もかも捨てて逃げ出してしまいたい。そんな思いに囚われた。嘘を付き続けないといけないことも、隠し続けないといけないことも、どうしようもなく辛かった。
それを守りながら、生きた意味を見つけないといけないことも。
胸痛よりも、心の痛みの方が、よっぽど大きかった。
「大丈夫だよ、奈々絵なら!!
後六日だけ、頑張れよ。……終わったら、俺に思う存分泣きついていいから」
「……っ、ああ、ありがとう」
温もりに声を通して触れて、瞳から、静かに涙がこぼれ落ちた。
「……美弥香、もし。
――もし俺がちゃんと、後一週間隠し通しながら、生きた意味を見つけることができたら、二人で花火しよう」
今も花火を楽しむ空我達を見ながら、俺はそう言葉を紡いだ。
本当に、わがままにも程がある。
――寿命を縮めてまで、窓の向こうにいるあいつらと同じ景色が見たいと思うなんて。