生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。
仮面が剥がれ落ちる感覚がした。
偽善という仮面。乃ち、偽りの善良の心。
君が幸せになるためだと、無理矢理頭の中でそう納得させて、俺は嘘を付き続ける。
嘘なんだから、こんなものは偽り以外のナニモノでもない。
ガラスよりも分厚く、けれど、壁よりも薄く作ったそれは、案外簡単にヒビ割れて、徐々に剥がれ落ちる。
着々と。
けれども、しっかりと確実に。
そして、涙がとめどなく溢れるくらい悲劇的に。