生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。



恵美は近くにいたカップルの男の方にまた携帯を渡し、今度は五人で氷の世界を背景に写真を撮ってもらった。

一通り水族館を回ると、俺達はそこのファーストフード店で、お昼を食べることになった。

お昼を食べた後、俺達は水族館を出て、ゲーセンに来ていた。

「全然落ちねえ!!もう1回だ!」

UFOキャッチャーに入ったうさぎの景品が取れなくて、空我は悔しそうに顔をしかめていた。もう既に三回以上は、空我はそのウサギが大量にいるUFOキャッチャーにチャレンジしていた。

「空我ーお前下手っぴなんだよ」

「は!? じゃあ潤が取ってみろよ!!」

「……なぁ、なんで俺達はゲーセンにいるんだ?」


潤に馬鹿にされて、騒ぐ空我を尻目に、俺は隣にいた恵美に、そう声をかけた。

「えっ、……空我のリクエストだから?」


「わざわざ海に旅行しに来たのに、ゲーセンするか普通?……本当に、空我って色々欠如してるんだな」


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