生きろ。死にたくなかった君の号哭を、俺達は死んでも忘れない。


「はぁ。空我ー代われ。取ってやるよ」


いつまでもウサギが取れない空我に痺れを切らしたかのように声を上げて、俺は空我の隣に行った。



「奈々絵取れんのかよっ!?」


「……ああ、取れるよ」

透き通るような水色の耳をしたウサギは、ボタンを慎重に動かすと、案外あっさりと掴まった。


「はぁ?すご!!」

「……まぁな」


ウサギの景品は、コトっと音を立てて、UFOキャッチャーの景品が出てくるところに落ちた。


「……なんでウサギ?」


「母さんにあげるんだー。!俺の髪色と色が似てるから、喜ぶかと思って」

空我は、平然ととんでもないことを言い放った。

まさか、空我に外見がよく似たそのウサギが、母親へのお土産だとは、本当に想像もしていなかった。


「……空我、母親のこと恨んでないのか?」

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