こじらせ女子の恋愛事情
「お待たせしましたー!デリバリーピザです!」

威勢のいい声が響く。
先程注文したピザが届いたのだ。
待ってましたとばかりに歓声が上がった。

お菓子だけじゃ物足りなかったのか、わいわいと皆が群がる。
ほかほか焼きたてのピザの香りが鼻をくすぐった。

「あの、お支払お願いします。」
「へっ、私?」

気付くとピザ屋のお兄さんは私に向かって話しかけている。
私、幹事じゃないんですけど…。
と思ったけど、このわいわい騒いだ状況、声を掛けられるのが私くらいしかいないようだった。

誰だよピザ頼んだやつ。
ていうかそもそも幹事は誰だよ。

心の中で悪態をつきつつ、このどうしようもない状況に、私は渋々お財布を出して支払いをした。
結構な痛手なんだけど、後で返金してもらえるんだろうか。
不安だ。
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