こじらせ女子の恋愛事情
心地よい眠りというのは何時間寝ていても起きたときには一瞬の出来事だ。
ただ、頭は妙にすっきりしている。

そう、たった今そんな状態に陥っている私がいる。

「おはよ。」

ソファに転がる私の頭を撫でながら、宗田くんがにこやかに言った。

「…おはよう…ございます?」

あれ?
ちょっと待って。
これは一体どういう状況なの?

落ち着け、落ち着け自分。
えーっと、酔い潰れた宗田くんを送ってきて、寝ちゃって起きないから鍵を閉めることができなくて。
だから終電前までに叩き起こそうと思ってて。

で、今ここ?

今何時?

恐る恐る腕時計を見ると、6時を少し過ぎたところだった。

「嘘っ!」

ガバッと起き上がると、宗田くんが驚いた顔をしている。
いやいや、驚いてるのは私なんですよ。

だって、まさか寝ちゃうなんて。
そんなバカな。

「私、寝ちゃってた…。」
「起きたら仁科がいるから、嬉しくなって寝顔見てた。」

朝っぱらから恥ずかしい台詞を降り注いでくる。

「か、帰るね。」

手ぐしで髪を整えて立ち上がったところを、ぐっと腕を引かれて引き留められた。
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