こじらせ女子の恋愛事情
「はい、図面。」
「サンキュ」

宗田くんは図面を受けとると確認もせずに持ち出し袋へ突っ込んだ。
確認くらいしてよ、間違ってるかもしれないのに。
そんな文句を言う前に、宗田くんが口を開く。

「そのお花見だけどさ、仁科と早川さんも参加しない？」

お花見の話、まだ続いていたのか。
私は遠慮だなー。
設計課はあまり関わりたくないし、何より皆でわいわいするのは得意ではない。
角の立たない断り文句を考えていると、可憐ちゃんが先に言う。

「楽しそうですけど、設計課のイベントに私たちが参加してもいいんですか？」

そうだそうだ、他課のイベントなんて居づらくてたまらんよ。
知り合いだってそんなにいないし。
そんな私の気持ちも知らず、宗田くんは親指を立ててドヤ顔をする。

「大丈夫だよ。設計課は女の子が少なくてさ、何人か誘ってこいって言われてるんだ。」

何だそれ、私らはコンパニオンじゃないからね。

なんて思いが顔に出てしまったのか、宗田くんは私の顔を見て苦笑いをした。
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