焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
海上自衛隊と言っても、たくさんの職種があり興味深い。護衛艦の中でも様々な部隊があって、それぞれの専門分野で皆さん活躍されていて……。

なにより日々、国のために海を守る信念に感銘を受けた。

「自分の仕事に誇りと信念を持っている男性ってカッコいいね」

婚活パーティーの開催場所である、すぐ近くのホテルへの移動中、みどりに掛けられた声に頷いた。

「……うん」

仕事内容について話してくれた自衛官は、とても生き生きしていてカッコよかった。

するとみどりは「おっ」と声を上げ、小声で言った。

「いよいよ杏も新しい恋愛に前向きになれた?」

「そういうわけじゃないから」

そこはきっぱり否定した。

自衛官の人は素敵だと思うけれど、それと恋愛は別の話だ。……現にいざ、婚活パーティーが始まると、私はさっそくひとりぼっちになった。

百名以上を収容できる最上階の広いパーティールームでは、ひとりひとりの簡単な自己紹介が終了したあと、フリータイムに入るや否や、女性参加者はお目当ての自衛官の元へ一直線。

その中にはみどりの姿もあった。
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