焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「すみません、朝から会議や商談が立て込んでおりまして……」

「言い訳は聞きたくない」

私の声を遮り言うと、彼は立ち上がった。

「商品の方は俺が他の店舗からかき集めて持っていった」

「……ご迷惑をおかけしてしまい、大変申し訳ありませんでした」

そうだよ、なに言い訳しているんだろう。謝るのが先じゃない。それなのに私……!

深々と頭を下げる私に、門脇部長は再びため息を漏らす。

「滝本、少し付き合え」

「――え、あっ」

顔を上げると彼はスタスタとドアの方へ向かっていた。そしてドアの前で立ち止まると、来いと手招きする。

怒られるのを覚悟して、私はただ門脇部長についていくしかなかった。



彼の後を追って向かった先は本社ビルにあるカフェスペース。自販機などが設置されており、社員の憩いの場となっている。

この時間は誰もおらずシンとしていて、それがまた妙な緊張感を生み出す。

彼は自販機で缶珈琲をふたつ購入すると、テーブルに並べて私に座るよう促してきた。

「ほら、こっち」

「……はい」
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