焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
力強い声で放たれた一言に、心が大きく揺れた。

「俺……これまでの人生で誰かを本気で好きになったのは、滝本だけなんだ。会えてない間は、ずっと仕事ばかりで……。この先もずっとこの気持ちは変わらない自信がある」

「織田くん……」

なにそれ、どうしてそんなこと言うの? そんな嬉しいことを言われちゃったら泣きそうになる。

アルコールが入っているから余計に涙脆くなっちゃうじゃない。

それでも必死に堪え、彼に問うた。

「もしかしたら私の気持ちが変わっちゃうかもしれないよ……?」

そうだよ、だって陸人への気持ちがそうだった。

初恋でこれから先、彼以外好きになれない、一生忘れることなんてできないと思っていたのに、私の気持ちは変わってしまった。

誰かを好きになっても、また同じことを繰り返すかもしれない。

不安に覆われる。すると織田くんは、私の不安を拭うように優しい声色で言った。

「その時は俺がまた頑張ればいいだろ? 気持ちが離れていったら、もう一度好きになってもらえるよう努力する。何度だって好きって伝え続けるよ」
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