焦れ恋ロマンス～エリートな彼の一途な独占欲

「私……実は恋愛をするのが、すごく久しぶりでして……。彼が誠実な人で自分もそうありたいと思えば思うほど、好きって気持ちがどんなものだったのか、わからなくなってきて」

「うん……それで？」

門脇部長は私の話に耳を傾けた。

「毎日彼のことを考えちゃうんです。だけど私、高校から大学まで付き合っていた彼氏に振られてから、人の気持ちも自分の気持ちもいつかは変わるものなんだって身を持って知って、それから恋愛に臆病になっちゃっていて。……今の彼のこと、信じたいのに信じきれないんです」

「そうか」

頷く門脇部長に続けた。

「彼は私にはもったいない人で本当、どうして好きになってくれたの？って聞きたくなるほどで……。なんかすみません、まとまりなくて」

思うがままを口にしてしまったけれど、順を追って説明しないとわからない話だよね。こんな話を聞かせてしまい、申し訳なくなる。

すると門脇部長は珈琲を飲みながら、「フッ」と鼻で笑う。