焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
浮気が発覚する前、少しずつ彼の様子は変わってきていた。いつもは私を最優先にしてくれていたのに、だんだんと友達との約束を優先するようになり、大学内でも一緒に過ごす時間は減っていった。

付き合いが長いと、こういうものなのかもしれないと自分に言い聞かせ、彼としっかり向き合わなかった結果だと思う。

なんて、数年経った今だからこそ、そう思えるようになったんだけど。

とにかく当時の私は辛くて悲しくて悔しくもあって、あの時感じた気持ちが今もトラウマとして残っている。

大好きな人に裏切られ、振られた傷は簡単には癒えてくれないし、忘れさせてもくれない。

もう何年も前のことだし、みどりじゃないけれどいい加減前に進まないとって頭ではわかっていても、心がついてきてくれないんだ。

再び視線を会場内に向けると、中にはふたりっきりで良い雰囲気の人たちもいるし、たくさんの女性に囲まれている男性もいる。

みどりは……と探していると、あるひとりの男性とふたりでなにやら楽しそうに話していた。
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