焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
織田くんに会いたい想いを募らせながら過ごしていたある日、早めに帰宅して、家でのんびりしていると高校時代の友人、愛(あい)から電話がかかってきた。

だけど電話に出なくても、なんとなく要件がわかる。それでも久しぶりに話せるのは嬉しい。
すぐに電話に出ると、女の子らしい可愛い声が聞こえてきた。

『もしもし、杏? 久しぶり。元気だった?』

「もちろん元気だよ。愛は?」

『昔から元気だけが取り柄だもの。元気に決まってるじゃん』

そんな話からはじまり、お互いの近状報告を終えた後、彼女は本題に入った。

『さて、恒例のお誘いでございます。二週間後の土曜日の夜にまたクラス同窓会をやるんだけど……杏はどうする?』

高校を卒業してから、定期的に行われてきたクラス同窓会。

陸人と付き合っている時は、毎回ふたりで参加していたけれど、別れてからは陸人に会いたくなくて一度も参加していなかった。

それでも愛は毎回開催されるたびに、こうして誘ってくれている。だけど事情を知っている彼女は決して無理強いをしないし、陸人の話を一切してこない。
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