焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
『滝本?』

私の名前を呼ぶ彼に思い切って聞いてみた。

「織田くん、クラスの同窓会には行ったことある?」

『同窓会?』

「うん。高校を卒業してから定期的に開かれているんだけど……」

そこまで言うと、彼は思い出したように言う。

『そういえば大学に入って間もない頃、誘われた気がする。だけど勉強とバイトで忙しくて、今後誘われても行けないと断ったんだ。それっきり誘われていないな』

そうだったんだ。じゃあやっぱりだめかな? でも誘うだけ誘ってみてもいいかな?
ダメ元で聞いてみた。

「あのね、二週間後の土曜日に同窓会があるんだって。……私も陸人と別れてからは一度も行っていなくて……。でも久しぶりに行こうと思うの。だからその……織田くんも一緒に行ってくれたら嬉しいなって思って……」

しどろもどろになりながらもどうにか伝えたものの、彼から言葉が返ってこない。

「どうかな?」

もう一度尋ねると、なにやらガサゴソと音が聞こえてきた。
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