焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
「みんな久しぶり。変わらないね」

みんなの輪に入り、久々の再会に盛り上がる中、ふと感じる視線。

そちらを見ると目が合ったのは、七年ぶりに会う陸人だった。

みんなが笑顔で盛り上がる中、複雑そうな顔で私を見つめている。すぐに視線を逸らし、みんなの話に耳を傾けるものの、戸惑いを隠せない。

どうしてあんな顔をして私を見るの? ……いや、どんな顔をされても私はこうして会うだけで戸惑うよね。

だって会うのはあの振られた日以来だもの。……でも、もう陸人に気持ちを振り回されたくない。

今、私の心の中にいるのは陸人じゃない、織田くんだから。

そう自分に言い聞かせて、心を落ち着かせる。

すると愛がコソッと耳打ちしてきた。

「杏、大丈夫? 一応その、ほら……みんなあんたたちふたりが別れたことは知っているから話題に出すことはないけど、気まずくない? 平気?」

心配そうに私を見る愛。彼女の気持ちが嬉しい。

「ありがとう。でも大丈夫、心配しないで。それよりお腹空いちゃった」

そう言うと愛はホッとした顔を見せた。
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