焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
織田くんが来るかと思うと、居てもたってもいられなくなり、みんなが盛り上がる中、隣に座っている愛にそっと伝えた。

「愛、ちょっと外の空気吸ってくる」

「わかったよ」

なんとなく織田くんが来るから、外で待っているとは言いづらくて、外に出ることを伝えて席を立った。

季節は秋からそろそろ冬に向かおうとしている頃。上着を着てきたけれど、この時間になるとそれでも肌寒い。

少しずつ冷たくなっていく手先を手で擦りながら、織田くんの到着を待つ。

何時に着くかわからないけど、そろそろだよね。

織田くんに会ったら、まずなにから話せばいいかな。どうやって切り出せばいいだろうか。

大人になっても恋愛は初心者で、学生みたいな悩みに頭を抱える。

だけどきっと、どんなに悩んで考えても顔を見たら全部吹っ飛びそう。

胸を高鳴らせながら背伸びをして遠くを見て、彼の到着をそわそわしながら待つ。

するとお店のドアが開く鈴の音が聞こえてきた。
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