焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
彼の話を最後まで聞き、私は自分を落ち着かせるように大きく深呼吸をした後、不安げに私を見る陸人と対峙した。

「それは別れたすぐ後に言ってほしかった」

決して感情的にならず、自分の想いを伝えていった。

「そんなこと言われて、私が喜ぶと思う? 『はい』って返事をすると思うの? あれからもう七年も経っているんだよ? 私の気持ちは変わったし、陸人だって他の人と付き合っていたんでしょ? 今さら昔のように付き合えるわけないじゃない」

一度溢れ出た思いを止める術などなく、思うがままの感情を口にしていく。

「陸人は勝手すぎるよ。自分がやり直したいからって私も同じ気持ちだと思わないで。もう私は陸人のことを好きじゃないし、やり直したいとも思えない。陸人だって私のこと、昔の本気で好きじゃないでしょ? 好きなら私に連絡を取ったり、会いに来る手段はいくらでもあったはずだもの。……それに私、好きな人がいるから」

はっきりと自分の気持ちを言葉にして伝えると、陸人は目を丸くさせた。
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