焦れ恋ロマンス~エリートな彼の一途な独占欲
私の心の中にいるのは、織田くんだけ。もうトラウマもなにも怖くない。

織田くんとなら変わらない気持ちを抱き続けていけると思うから。

「でも、今こうして陸人と再会することができて、陸人が後悔していたって知れてよかったよ」

「えっ?」

陸人は驚き、私を凝視する。

「私もしばらくは陸人に振られて立ち直れなかったから。……当時の私が報われた気分」

少しは陸人も私に悪いことをしたと反省していたんでしょ? だったらそれだけで充分。

たしかに最後は嫌な終わり方をしてしまったけれど、陸人と過ごした日々すべてが嫌な思い出ばかりじゃなかった。むしろ楽しくて幸せな時間の方が長かったから。

「私、陸人に会いたくなくてずっと同窓会に来られずにいたの。でも今日、思い切って参加してよかった。陸人と話ができたし、みんなにも会えたしね。……これから同窓会で会っても、普通に話してね」

「杏……」

今日、勇気を出して参加して本当によかった。もう陸人に会うのを恐れることはない。自分の気持ちをしっかり伝えることができたし、きっと彼にも私の気持ちは伝わったはず。
< 142 / 266 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop